眺めのいいブログ

人生は参考文献だらけ

日経新聞の内容に基づいた文句を書く。

就活をきっかけに、今年の初めぐらいから日経新聞を読むようになった。日経新聞ではさまざまなニュースについて知ることができ、勉強になっているが、読んでいてイライラする記事に出会うこともある。今回は2018年7月25日(水)の朝刊を読んで沸いた文句について述べる。

2018/7/25wed.日経朝刊への文句①

まず、この日の朝刊1面のコラム「春秋」に対する文句を言いたい。この日のトピックは、セブンイレブンが生ビールのテスト販売の計画を中止したことについてであった。この出来事に対して、著者は「このニュース、かなり残念だった」と述べている。この意見を読み、私はイライラとした。コンビニの現場で実際に販売する人たちに寄り添った、労働者視点が欠如していると考えたからだ。

もし生ビールの販売が導入されたなら、コンビニで働く人たちへの負担はますます増えていくだろう。生ビール提供のための機械の洗浄、生ビールの鮮度チェックといったように、生ビールに関する衛生管理まで業務に加わるからだ。生ビールを作る機械は洗浄の方法や組み立てが複雑であることも、理由の一つだ。

ビール機が無い今でも、洗浄業務はたくさんある。揚げ物,中華まん,焼き鳥を作る機械とそれらを入れる什器の洗浄に、コーヒーマシンの洗浄だ。これらの機械も、洗浄時に、分解と組立作業を伴う。やり方を覚えてしまえば、難しい作業では無いが、コンビニでは、接客や検品・品出し・廃棄など様々な業務と並行しながら洗浄をする必要があり、短時間で機械類の洗浄と片付けを終わらせることが厳しい。

また、どこのコンビニの店舗でも慢性的に人手が不足している。同時進行で行わなければならない仕事に追われ、余裕のないコンビニ従業員たちがたくさんいる。

このような状況の中で生ビールが導入されたら、現場のスタッフたちはますます疲れてしまうだろう。そのため、私なんかはむしろ「生ビールが導入されなくて良かった」と考えているぐらいだ。

 

このコラムの著者は、セブンイレブンが生ビール販売を開始した場合に生じる恐れのある居酒屋への悪影響や、飲酒運転についての心配については考慮されていたが、コンビニスタッフについては全く言及されていなかった。ぜひ著者は

books.bunshun.jp

でも読んで、コンビニの現場についての理解を深めてほしい。

文句②(日経に対して、というより首相発言に対しての文句)

二つ目の文句だが、これは日経新聞に対するものではない。朝刊3面の「入管局「庁」に昇格へ」という記事に記載されていた首相発言に関する文句だ。この記事によると、首相は「即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築することが急務だ」と強調したらしい。この記事を読んで、最近のエラい人は「即戦力」ばかりを求めているな、という印象を深めた。ここ数年、大学には即戦力となる人材の育成・即効性のある役に立つ研究が求められている。こうした流れは、外部からの労働者にも及んでいるようだ。

しかし、もっと「育てる」という面を重要視するべきだと思う。育成のために、誰が見てもわかり同じような結果が生まれるマニュアルなどを作成し、育てる仕組みを充実させるべきではないだろうか。

 

 

そもそも初めての土地でかつ外国に来た人たちに向かって、すぐ即戦力となれ、というのは無理があると思う。仕事を覚える前に、その土地の習慣や暗黙のルールなど、自国とは違う状況への理解というステップも入ってくるからだ。もちろん、新しい環境下では全ての人がこうした状況を迎えることになるが、国が違う分、負荷も大きく掛かってくる。それに、即戦力となれる人というのは、既に自分なりのやり方を持っていることが多い。そうした人に、今までのやり方を変え日本のやり方に合わせてもらうのは、それはそれで、大変じゃないのかと思う。

だから、即戦力のある人を取ってくるより、育成の仕組みを整えながら育てたら伸び代のある人に来てもらうのが良いのではないか、と思うのだ。